Brillia Art
Brillia Art Award

ARCHIVEこれまでの作品

No.26 
Brillia Art Award Cube 2025作品・アーティスト紹介

TITLE:
Roots
CONCEPT:
 “Roots”(根) は人々の故郷や祖先、歴史など、個々の人生における見えない繋がりを象徴する言葉です。根は普段、土の下に隠れて私たちには見えませんが、地中深くに力強く広がることで生命を支えています。

本作は、 東京で暮らす人々の衣服を素材として使用しています。
それぞれの衣服に宿る記憶や時間、人生の断片を重ね合わせ、大きな根を制作しました。展示場所は、多様なバックグラウンドを持つ人々が行き交う東京・八重洲にあるビルのエントランスです。ここでは、さまざまな人生が交差し、人々の関係が根のように広がり、社会という大きな木を支えています。過去と現在、そして人と人の目に見えない繋がりを、たくましく広がる根によって表現しました。

素材提供協力:東京建物及び関係会社の皆様

ARTIST PROFILE

宮下 ゆり / YURI MIYASHITA
<略歴>
1999年生まれ
2023年
京都精華大学芸術学部造形学科立体造形専攻卒業
人や物の記憶に寄り添うことをテーマに、『根』をモチーフにした作品を制作している。
提供された衣類や繊維を用い、それぞれの素材に宿る歴史や記憶を遡ることで、現在と過去のつながりを表現する。
<活動歴>
2021年
「International Convention of Asian Scholars」 (京都)
2021年
「三人展 介在する気配」(スタジオツキミソウ/ 京都)
2022年
「二人展」(Art Spot Korin/京都)
2023年
「京都精華大学展」(京都精華大学/京都)
2023年
「やまもりハプン 希望が丘2023」(希望が丘文化公園/滋賀)
2023年
「Hole」 (Social Kitchen/ 京都)
2024年
「やまもりハプン 希望が丘2024」(希望が丘文化公園/滋賀)
2024年
「学園前アートフェスタ2024 公募作家選考展」(GALLERY GM-1/奈良)
2024年
「学園前アートフェスタ2024」(阪口家住宅/奈良)
2024年
「marble2 金属織物、喜怒哀楽」(THE GUT’S GALLERY/大阪)
2025年
「marble2 金属織物、喜怒哀楽 東京展」(PREMIER STUDIO STUDIO2/東京)
2025年
「Sculpture by the Sea, Bondi 2025」 (シドニー/オーストラリア)
<受賞歴>
2025年
「第4回枕崎国際芸術賞展」入賞
2025年
「第2回あさごビエンナーレ2025」入賞
2025年
「Sculpture by the Sea, Bondi 2025」Pommery Artist Award 受賞

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
布を用いた作品を展開するにあたって、多くの方々にご覧いただける屋内の展示スペースを探していました。多様な地域から人々が集う東京駅から徒歩数分という立地と、ショーウィンドウでの3ヶ月に及ぶ長期展示という条件は、私にとって理想的でした。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
「根」のシリーズは、私の家庭にある衣服を扱い、自分のルーツを辿る表現から始まりました。その後、様々な衣服や繊維を提供していただくようになり、「それぞれの素材に宿る記憶や歴史を遡る表現」へと発展しています。
今回は、多様なバックグラウンドを持つ人々が行き交う八重洲という場所で、この土地に根ざす人々の衣服を素材とする作品を構想し、応募しました。
その結果、東京建物及び関係会社の皆さまから衣服をご提供いただけることになりました。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
私たちは、それぞれ異なるルーツを持ちながら、お互いを支え合い、同じ大地のもとで共に生きています。
世界で様々な分断が深刻化している今、私たちを支える根のような存在に思いを巡らせ、それぞれの背景や立場を超えた繋がりが今後どのように育まれるのかを考えながら制作しました。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
作品の色彩は、集まった衣服によって決まるものでしたが、予想をはるかに超えて色とりどりの衣服が集まり、エネルギーに満ちた根が生まれました。
昨年から取り組んできた根のシリーズが、ありがたいことに様々な土地へ広がりつつあります。
それは、移住を繰り返してきた私自身の経験とも重なり、自分の分身ともいえる作品を通して各地の人々と交流できることが本当に嬉しいです。
PAGE TOP