Brillia Art
Brillia Art Award

ARCHIVEこれまでの作品

No.03 
Brillia Art Award Wall 2025作品・アーティスト紹介

TITLE:
LIGHT TRAIL / 光跡

CONCEPT

幾千もの星々が描く光跡、夜の空港を発着する飛行機、港を行き交う船、高速道路の車のライト、、
それらが描く光跡は時間の経過と共に美しいラインを描きます。
今回の作品は1点ずつの独立した作品ですが、そのような様々な光跡のバリエーションを表現する為に3点を展示しました。
それぞれの作品、そして3点合わせてご覧いただき皆様が体験された光跡の記憶を辿っていただけると幸いです。

ARTIST PROFILE

梅﨑 健 / TAKESHI UMEZAKI

<略歴>

1979年 武蔵野美術大学 造形学部 大学院卒 在学中にストックホルムと京都の工芸学校を受講し大きな影響を受ける。
企業入社後、企画部門にて主に欧米向けデザインを担当。海外訪問を通じて、数多くのアートに触れる機会を持った。
そのようなクラフト、デザイン、アートとの出会いや経験が創作の礎になっている。 退職後、武蔵野美術大学客員教授を経て、 現在はアート制作を中心に活動中。

<受賞歴>

2005年
エプソンカラーイメージングコンテスト 佐藤卓賞
2017年
タグボートアワード 審査員特別賞
2018年
三井化学新素材「NAGORI」活用デザインコンペ優秀賞
2020年
MIMARUツーリズムコンペティション アート部門優秀賞

<活動歴>

2017年
タグボート主催グループ展参加
2019年
渋谷ヒカリエ aiiima「NATURE ART」個展
2020年
アートサブスクCasie掲載スタート
2021年
イニシャルギャラリー IGコレクション作家選定
2022年
SHIBUYA AWARDS入選入賞プラス展参加
2023年
コート・ギャラリー国立 「自然の情景」個展
2024年
ピエトロ・バルコーネ国立 個展
2024年
正方形アート ブランド a good viewの作家選定
2025年
絵本「ブロンコ号の冒険」出版

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
展示スペースが広く綺麗な場所であることや展示期間が長いこと、来場される多くのお客様にご覧いただきたいという気持ちで応募しました。

Q:この作品を作ろうと思ったきっかけは?
旅先で見た夜空の星々、夜の空港を発着する飛行機、港を行き交う船、高速道路の車のライト、それらは長時間露光の写真でラインとなって見ることができます。そのような一瞬の光が描く光跡が美しいと思ったのがきっかけです。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
光跡の線と線の間からきらきらと覗く色や多層に重なる色など、様々な光が織りなす壮大な空間を表現しました。光跡のラインは櫛引という伝統技法をヒントに独自の手法を使い描いています。

EVALUATION

ハービー・山口
(写真家)

美しい空を見上げたり、光る星の瞬きを見つけたり、都会のどこかに何かしらの光を発見した時に、私たち心はときめきます。 人間に限らず生き物は光にとても敏感に出来ているのです。そうした私たちの本能とも言うべき光への感動を梅崎さんは絵画として描き、私たちに届けて下さいました。
空港で飛行機が、港で船が、高速道路で車が、それぞれ放つ光は、暮れなずむ空に滲み美しい光跡となって私たちの心を揺さぶります。そうした感動を見事に表現しています。梅崎さんが描く光は、私たちの心に希望をもたらしてくれます。
左官職人が使う櫛引という古くから伝わる技法をヒントにして描かれたそうです。

曽谷 朝絵
(美術家)

空を表現した作品は数多くありますが、梅崎さんの作品は、櫛引からヒントを得た独特の表現が印象的でした。遠くから見ると空のグラデーションとして見えますが、近くで観ると、無数の独立したカラフルな線が重なり合っているため、彩度の高い画面になっています。
「光跡」というタイトル通り、それらの線は様々な速度や軌跡を感じさせ、詩的な表現になっています。空だけでも十分に成立しているように見え、下の陸地部分はなくてもよいのではないか、と想像が広がるのも、この線の色の豊かさによるものだと思います。
また、全体図と部分拡大図の両方を応募資料に添えてプレゼンしていた点も巧みだと感じました。作品の魅せたい部分が明確だからこそ、この提示方法が活きたのだと思います。
様々なイメージや時間を内包した、豊かで詩的な空がとても素敵です。

齋藤 由里子
(公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団)

まるで金糸や銀糸を用いた織物のようなマチエールは、佐官の技法である「櫛引」を独自にアレンジしているそうです。
角度によってキラキラと光る様子は、光跡だけでなく、マジックアワーやグリーンフラッシュと呼ばれるような儚く美しい情景をも想起させます。
朝日が昇る頃、夕陽が沈む頃、また夕陽が落ちた後、自身が見た記憶や心象風景と重なりあって思い出の中を旅するような作品です。

PAGE TOP