
私は、人がどのように自分自身や他者を認識し、その関係の中で『自分らしさ」を形づくっていくのかをテーマに制作しています。
自然物や身近な屈泉と幾何学的な形態を重ね合わせることで、私たちが世界をありのまま見ているのではなく、それぞれの経験や記憶、他者との関わりを通して認識していることを表現しています。
《Find My Shape》は、人との出会いや関係性の中で、自分という存在が少しずつ変化し続ける姿を描いた作品です。画面の中でモチーフは幾何学的な形によって切り取られ、重なり合い、ときにずれながら新たな形を生み出していきます。その変化は、自己と他者との「あいだ」で絶えず更新される認識や関係性を象徴しています。
私にとって絵画とは、一つの答えを提示するものではなく、鑑賞者それぞれが自身の経験や記憶と重ね合わせながら、新たな見方や気づきを生み出すための場です。作品を通して、「見えている」と思っていたものが少し違って見えたり、自分自身の認識が揺らいだりする瞬間を生み出したいと考えています。そして、その小さな認識の変化をきっかけに、私たちはどのように世界を見つめ、意味を紡ぐのかを、静かに問いかけるそんな絵画を目指して制作しました。

1988年大阪府生まれ。北京・中央美術学院油絵科修士課程修了。現在は東京と長野を行き来しながら制作活動を行う。
人が自己や他者をどのように認識し、その関わりのなかで「自分らしさ」をつくっていくのかに興味を持ち、自然や身近な風景に、幾何学的な形態や線、文字などを重ねることで、個人的な記憶と他者の視点、社会的な枠組みが交差するイメージを表現している。
《Find My Shape》では、山が切り取られ、重なり合い、ずれたりしながら、新しい形へと変化していく。その姿は、人との関わりによって少しずつ変わっていく自分自身や、自分と他の人との間で変わり続ける「ものの見方」を表している。
