日本に古くから伝わる家紋は、それぞれの家や氏族の象徴として、日常生活に馴染みの深いものです。本展ではこの家紋のデザインを手がける「京源」の2人のデザイナーの作品を展示します。
京源は1910年、家紋を着物に描く前の工程を担う職人「紋糊屋(もんのりや)」として、初代波戸場源次によって京橋で創業されました。二代目は着物に家紋を手で描く「紋章上繪師(もんしょううわえし)」となり、三代目波戸場承龍、息子の耀鳳へと引き継がれています。承龍・耀鳳親子は2010年に工房「誂処 京源」を立ち上げ、昔ながらの手描きの手法にデジタル技術を導入し、伝統的な意匠と現代感覚を融合した、家紋による新たな表現を指向しています。
2025年は三代目波戸場承龍が家業を継いで50周年にあたります。本展は、京橋で始まった京源の歴史を振りかえることで、家紋アートの世界と京橋という地との「縁」が線でつながり、限りなく続くように願いを込めています。
波戸場承龍・耀鳳親子を表す「龍」と「鳳凰」の家紋を太鼓の鋲で表現した大型アート作品
国内外のブランドに提供した「紋曼荼羅®︎」や著書本