本展は暮らしに身近な「布」を題材として、手作りホビー材料の大型専門店「ユザワヤ」と東京藝術大学デザイン科が共同で取り組んだプロジェクトの成果発表展として企画されました。本展の開催にあたって、東京藝術大学の有志19名の学生は、プリントによる布の可能性を見出すべく、2024年4月から約10回のワークショップを実施しました。
本展のテーマは「生命あるもの」です。これは、「布と人々の新しく豊かな関係」全体を包む概念として設定されました。ユザワヤの布に関する知見や技術と、藝大デザイン科の学生たちの創造力を組み合わせ、布が持つ価値や可能性を生活や社会にどのように活かせるかを探っています。
会場にはおよそ80種類の独創的なデザインのプリントが施された布と、プリント布によるさまざまな製品のサンプルを展示します。
藝大デザイン科の学生たちが、「生命あるもの」というテーマをどう読み解き、それをファブリック(布)へと昇華させたのか。その成果は、既視感のない独創的な布の数々として現出しています。これらの80種余のファブリックの集合体は重なり合い配列を成して、空間に浮遊しているかのように幻想的な体験を提供し、一つのモジュールとして組み上げられたインスタレーションとして会場に結実しています。
完成したファブリックを使用して制作した衣服や日用品、オブジェなどの数々を展示します。
参加作家:東京藝術大学 デザイン科学生 19名
石綿 ひよ莉/延命 奈優/オウ セイイ/オ チェリン/大野 夏実
坂田 真紀/資延 美葵/白井 久瑠見/ショウ コウ/仁科 維
箱根 希美/船橋 生桜/向佐 満里子/石岡 紅緒/那須 響
橋田 朋奈/藤本 楓/山下 瑚桃/山根 千花